こんにちは、LDLです。
相変わらず月末ギリギリの更新です。本当は別の検証をしていたのですが、高熱で寝込んだり仕事が忙しかったりバスケWCがアツすぎたりとデータ分析の時間がとれず、急遽テーマを変えました。
内容は開幕前に書いた記事「パ6球団のNEXT BREAK」の検証になります。「この選手はいいぞ!」とご紹介しておきながら、その通り活躍した選手だけ取り上げてドヤ顔するのは違うと思っているので、シーズンも終盤に入ったこのタイミングで実際にどうなったかをご紹介していきます。
それではいってみましょう。
オリックス:山下 舜平大
【レギュラーシーズン成績】(8/31現在)
登板数 :16
勝敗 :9勝3敗
投球回 :95
被安打 :74
被打率 :.206(右.206、左.206)
被本塁打:2
与四球 :30
奪三振 :101
自責点 :17
防御率 :1.61
K/BB :3.37
WHIP :1.06
【投球分布図】
言わずと知れた今季の新人王レースにおける最有力候補です。
OP戦でも圧倒的な成績を残し絶賛しましたが、その通りシーズンでも実力を如何なく発揮して二桁勝利も十分射程圏内に捉えています。
最速160km/hの速球を軸に変化球はカーブ・フォークのみと非常にシンプルな組み立ては変わらずも、それぞれの球種が決め球クラスの威力があるのがすごいですね。キレのある速球とカーブ・フォークという比較的被弾しやすいスタイルに加えてOP戦では被本塁打2本と一発癖が懸念されたものの、蓋を開けてみればシーズンでもここまで2本と全くの杞憂でした。左右の被打率に差がなく左右の弱点がないというのも、先発として安定した活躍をするうえでポイント高いですね。
強いて改善点を挙げるなら、半分近くがボールになっているフォーク(赤枠)でしょうか。空振りは左右ともに20%以上取れているのでキレは問題ないと思いますが、これの制球を高められればさらに手の付けられない投手になるでしょう。末恐ろしい…!
ソフトバンク:大津 亮介
【レギュラーシーズン成績】(8/31現在)
登板数 :36
勝敗等 :2勝0敗 11H 0S
投球回 :30.2
被安打 :30
被打率 :.261(右.239、左.295)
被本塁打:5
与四球 :5
奪三振 :17
自責点 :10
防御率 :2.93
K/BB :3.40
WHIP :1.14
【投球分布図】
1年目から30試合以上登板し、防御率2点台に二桁Hと即戦力のドラ2としては十分及第点の活躍を見せています。WHIPが1強、K/BBは3超で指標的に合格点でしょう。
ただし、対左は被打率が悪く(.295)、対右は被弾が多いとどちらにも弱みがある点は気になりますね。ワンシームという特殊球を扱う、横の揺さぶりが軸となる投手なので、対左は「甘いコースをしっかり打たれているだけ」とも取れますが、対右はあえて球種を速球とスラ系に絞ったうえで被弾してしまっているのが不可解なところです。
奪三振率は4.99と決して高くはなく、入団時は「7色の変化球を操る」と称された技巧派の投手だけに、3月の記事でも書いた通り先発で使ってあげた方が真価を発揮できるのかなと考えずにはいられないここまでの内容でした。
西武:佐藤 隼輔
【レギュラーシーズン成績】(8/31現在)
登板数 :40
勝敗等 :1勝1敗 14H 0S
投球回 :34
被安打 :34
被打率 :.362(右.196、左.311)
被本塁打:1
与四球 :15
奪三振 :27
自責点 :11
防御率 :2.91
K/BB :1.80
WHIP :1.44
【投球分布図】
開幕戦の好評価そのままに、層がペラッペラとはいえ1軍の左リリーバーの1番手まで見事に登りつめました。ここまで40登板以上している中で防御率3点を切っているのは及第点と言えるでしょう。
ただ私が期待したほどのパフォーマンスには至っておらず、ストガイのスタイルのわりに奪三振率は少々物足りないですし、ストレートも思ったほど空振りが取れていません。それこそストレートの投球数に占める空振り率は「技巧派」と紹介した大津投手以下です。イニングの半数くらい四球も与えてしまっているせいで、主要指標のK/BB、WHIPでも見劣りしてしまっていますね。
それでも対右はクロスファイアで押し込めており被打率2割以下と見事に抑えてますが、対左となると内を突く攻め手を欠き、変化球もスラのみと心許なく、被打率も3割オーバー。左のリリーバーはどうしても対左の能力を求められる傾向にありますし、前述の通り西武はそこがペラッペラなので、来季までに対左の攻め手を増やして飛躍したいところですね。
楽天:黒川 史陽
【レギュラーシーズン成績】(8/31時点)
22打数 2安打 2打点 0四球 1本塁打 5三振 0盗塁
打率:.091 長打率:.227 出塁率:.087 OPS:.314
【打撃内容】(ファーム)
4月頭にHRを放つなど幸先の良いスタートを切ったものの、1軍定着とはならず。
元々逆方向に打つのが上手いのはお伝えしておりましたが、ファームではしっかり引っ張って強い打球も打てており、打球方向のバランスは良好。どの球種にもコンタクトできてますし、ヒットも打てているのでここまで3割超えも納得の内容ですね。
唯一の懸念点は左投手の速球や内角を打てていないことですが、本当にそれくらいで、少なくとも打撃に関してはもうファームレベルでやることはほとんどないはず。主戦場の二塁は、1軍ではまだまだ浅村選手が君臨しているためなかなか出番が来ませんが、他球団ながら我慢して使ってあげてほしい選手の筆頭です。
腐ることなく虎視眈々と研鑽を積んでほしいですね。
ロッテ:小沼 健太
【レギュラーシーズン成績】(8/31現在)
登板数 :4
勝敗等 :0勝0敗
投球回 :7
被安打 :9
被打率 :.310(右.267、左.357)
被本塁打:1
与四球 :3
奪三振 :4
自責点 :7
防御率 :9.00
K/BB :1.33
WHIP :1.71
【投球分布図】(ファーム)
他の選手と比べるとやや穴馬のような感じで思い切って取り上げた小沼投手ですが、ここまでは1軍登板わずか4試合にとどまり、途中でトレードで放出されてしまう等苦戦が続いています。
最大のストロングポイントであるフォークは対左でしっかり決め球として機能していますが、対右では被打率が高く、ボールもともに40%超と今一つ。
また、3月の記事でも改善点とご紹介したストレートがあまり改善されず、打球方向からもわかる通り気持ちよく引っ張られてしまっているのが苦しいですね。それもファームレベルで。
ストレートとフォーク中心のザ・本格派スタイルは、どちらもハイレベルなボールになって初めて相乗効果を発揮して成り立ちます。今後もこのスタイルを貫くのであれば、やはりストレートのレベルアップが急務ですね。
日本ハム:金村 尚真
【レギュラーシーズン成績】(8/31現在)
登板数 :3
勝敗等 :1勝1敗
投球回 :18.1
被安打 :15
被打率 :.214(右.147、左.278)
被本塁打:0
与四球 :3
奪三振 :20
自責点 :5
防御率 :2.45
K/BB :6.67
WHIP :0.98
【投球分布図】
オリ山下投手と並んで新人王候補の双璧だと思っていたのですが、残念ながらたった3試合であえなく脱落してしまいました。
それでも実力の片鱗は十分見せてくれており、ストレートやスラはムダなボールが少なく空振りも取れるキレがあり、フォークもオリ山下投手同様ややボールこそ多いものの決め球として機能しています。即戦力に相応しい総合力の高さを示してくれました。特にスライダーは素晴らしいですね。
対左の被打率がやや悪いですが、これだけどの球種でも空振りを取れているので十分改善は可能でしょう。とはいえ無事是名馬、試合で投げられないことには何の意味もないので、来年はしっかり1年通して1軍で投げられる体を作ってきてほしいですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
本当なら全員が好結果を残してドヤりたかったのですが、所詮は素人の目なので、なかなか上手くいかないものですね。ましてOP戦の少ない戦績と映像だけでは限界がありました…。
ただ他球団の選手について、データは西武と同様に全て取っているもののこうしてじっくり眺める機会もなかなかなかったので、書いていて楽しい記事でもありました。もっとデータのビジュアルも拡充したうえで、来季もやってみたいと思いますので、その際はぜひご一読くださいませ。
それではまた。