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【2023年版】各球種Whiff%ランキング

どうも、LDLです。

 

アジアチャンピオンシップ決勝で熱い戦いが繰り広げられているなかですが、今晩のS-PARKの名物企画「プロ野球100人分の1位」が変化球編ということで、断片的にご紹介してきたWhiff%のランキングをまとめてご紹介したいと思います。

 

Whiff%とは、空振り÷被スイング数で計算される、いわゆるボールのキレを表す指標の一つです。類似のメジャーな指標としてはSwStr%がありますが、こちらは空振り数を被スイング数ではなく全投球数で割るもので、微妙に異なります。

 

ボールの性能を表す指標という意味ではSwStr%は有効ですが、全投球を対象にしておりキレがあろうがなかろうが関係なく振るわけもないクソボールもカウントされてしまっているため、こと「キレ」を表す指標としてはこちらの方が正確だと私は考えております。打者が「打てる」と思って振ったのに空振りした、というわけですからね。

 

では、前置きはこれくらいにして、早速本題に入りましょう。

 

球種ごと、といっても現代の野球において球種は非常に多岐にわたるため、タイトル詐欺のようになってしまいますがある程度はまとめます。

 

どうまとめるかというと、いわゆるパワプロ方式で、変化する方向で分類します。詳細は以下の通りです。

 

ストレート:ストレート

スラ系  :スライダー・カットボール・スラーブ

カーブ系 :カーブ・スローカーブナックルカーブ・パワーカーブ

フォーク系:フォーク・スプリット・チェンジアップ・パーム・縦スライダー

シンカー系:シンカー・スクリュー

シュート系:シュート・ツーシーム・ワンシーム

 

いつものようにスポナビさんから集計したデータを使って、2023年レギュラーシーズンを対象として100球以上投げた投手をランキング形式で掲載していきます。それではいってみましょう。(普段パばかり見てるので、コメントは基本的にパのみで、セはいい加減なこと言いたくないので少なめです。ご了承ください)

 

 

ストレート

パでは、以前X(旧Twitter)でご紹介したのは300球以上を対象としていたので漏れてしまったモイネロさんが圧倒的な数値で堂々の1位。戦力外から見事なカムバックを果たしたロッテ澤田さんも見事な数値です。

 

セは中日勢がTOP3を独占。特に、パファンにもその剛球が知れ渡るライマルさんを2人も上回っているのがすごいですね。その他、私がドラフト前に推していた広島の河野さんが上位につけているのも嬉しいです。

 

スラ系

パは元々スラに定評のあったロッテ東妻さんが1位に。

 

2位の西武ティノコさんのスラも空振りを取れてるのはなんとなく認識してましたが、まさかこの位置につけてるとは驚きです。ツーシームも良く光るものはあるだけに、もう少しなんとかならなかったのか…。 

 

カーブ系

パのカーブ系は以前ノーヒッターを達成したポンセさんが1位。

2位は我らが隅田さんで、Xでも投稿してきたように今季の躍進を支えた球種であるカーブの威力が数値にも表れた形です。

 

セの2位はFAも特に音沙汰のない石田さん。Cランクとのことですしお買い得だと思いますが、どこが声をかけるのか…。

 

フォーク系

パのフォーク系1位は、MLB挑戦に向けて圧巻のパフォーマンスで締めくくった松井さん。振らせれば半分以上空振りというチートなボールでしたね。

 

2位は私がファームで燻ってるときからずーーーーーーーーーーーっと「1軍でも十分通用する」と推してたタムイチさんの魔球チェンジアップ。その通りの結果になって満足です。西武勢では隅田さんのスプリットが8位、チェンジアップが18位にランクインしており、ストレートのキレさえ増せばもう無敵ですね。

 

3位のオリ山下さんもカーブに続いてTOP3入りは本当にお見事。少ない球種で抑えてるのは周知の事実ですが、見事に数値にも表れていますね。

 

セは横浜の2投手がワンツーフィニッシュ。3位ライマルさんはストレートでも3位に入っており、空振りを奪える速球と落ち球があればそりゃお手上げというのも納得ですね。

 

シンカー系

こちらは使う投手が圧倒的に少ないのもありますが、セパともに代表的な使い手がそれぞれ1位に。カツオくんこと石川さんは大ベテランなのにこのパフォーマンス、本当にお見事というほかありません。

 

シュート系

この球種は空振りを奪うのが目的というわけでもないので参考程度ですが、パはロッテ中村稔弥さんが圧倒的な数値で1位に。今季は登板機会は多くないながらも昨季と比べるとかなり成績は良化しており、来季はさらなる躍進が期待されます。

 

また、ここは個別にどうこうというよりも、投球数100以上というフィルタによりパの対象者がセより圧倒的に少なくなった点がリーグ間の野球の違いを表しているようで興味深いです。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

変化球は空振りを奪うことが目的ではなく、あくまで相手を抑える手段の一つなのでWhiff%はその性能を示す指標の一つにすぎません。ゆえに必ずしも「Whiff%が高い=良いボール」というわけではありませんが、思ったより高いとか逆に低いといった発見があれば、指標として可視化した甲斐があるというものです。

 

個人的には、タムイチさんや隅田さんが高次元の数値を残せていたのが嬉しい反面、エース・光成さんの球種がTOP30にどこにも入っていないのが意外かつ残念でしたね。

 

セイバーメトリクスにおいてよく言われることですが、バットにボールを当てられてしまうとどうあがいても運の要素が介在してきてしまいますし、安定した成績を残す上では空振り、ひいては三振を奪えることが重視されます。

 

光成さんの奪三振率は6.97と、規定投球回に達した投手の中では中位くらいで決して悪い数値というわけではありませんが、争奪戦の様相を呈している山本さんの9.27からは大きく水をあけられてしまっていますね。先日記事にした奪三振力でもパ全体で真ん中くらいです。

 

自ら最高の成績を残してライオンズを悲願の優勝に導きつつ、目標としているMLBからより高い評価を受けるために、今オフは奪三振能力をより高めるための取り組みをしていただければと思います。

 

今回は以上です。ご覧いただきありがとうございました!!