Lions Data Lab

選手レビューや、一風変わったデータ分析の発信を目指しています(メニューバー工事中…)

球速の出やすい球場・出にくい球場を数字で検証してみた(2023年版)

どうも、LDLです。

 

今回のテーマは以前お送りした「球場ごとの球速」ネタの最新バージョンです。前回の投稿ではNEXT BREAKを予告していましたが、昨年ほどしっかり試合や映像を観れておらず、データを眺めただけの無責任な記事を書くわけにもいかないということで、しばらくやってなかったネタを引っ張り出してきた形になります。

 

それではいってみましょう。

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【指標考案】wK/9も計算してみたらちょっと面白かった

どうも、LDLです。

 

2月の更新は、1月の記事での予告通り、初稿「奪三振力」をセイバーっぽくwK/9にリバイスしてみよう、という記事になります。本当はそこから一気にwK/BBやwK-BB%も算出・掲載しようかと思ったんですが、wK/9だけでそこそこの分量になったのでいったんそこで切る形としました。

 

初稿でご紹介した奪三振力は、全ての三振を平等に扱う奪三振率と異なり、対戦打者の"三振しにくさ"も考慮に入れているという点で、投手の奪三振能力を測る指標としてより本質的だ(と筆者が勝手に思っている)と述べました。

 

ただ、「相対的に誰が優れているかさえわかれば良い」という安直な考えで作ってしまったため、前回のwBB/9と異なり元の指標と次元が合っていないという問題点に気づいたので、同様のやり方でwK/9(weighted K/9)としてリバイスします。

 

それではいってみましょう。

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【wBB/9】与四球の指標を改良してみた

今更すぎますが、新年あけましておめでとうございます。

今年も最低月1更新は維持できるよう運営していきたいと思いますので、Xアカウントともどもよろしくお願いいたします。

 

さて、新年1発目はここのメインコンテンツである指標考案シリーズです。

 

これまで、セイバーメトリクスにおいてもはや市民権を獲得したといっても過言ではないものの算出手順が複雑で理解の敷居が高いWARやUZR等と異なり、誰でも入手可能な情報をもとにシンプルなロジックで算出できるオリジナル指標の考案を標榜し、初稿の奪三振力やリード力、やらかし度などいろいろと考案してきましたが、その新ネタになります。

 

まあ新ネタといっても、私のような凡人の頭脳に泉のようにザクザクアイデアが湧いて出てくるわけでもなく、今回は奪三振力の考え方をそのまま与四球の指標に当てはめたらどうなるか?というネタになります。

 

それではいってみましょう。

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【2023版】球審のゾーンの違いを一般人が入手できるデータで検証してみた

どうも、LDLです。

 

2023年もいよいよ大詰め、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

年初に掲げたノルマである月1更新のラストを飾るのは、私の記事の中で最も需要のある?と思われる球審ゾーン検証の2023年シーズン版になります。ただデータをまとめるだけのつもりが、ちょっとおもしろい事実も見えたので最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

それではいってみましょう。

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【2023年版】各球種Whiff%ランキング

どうも、LDLです。

 

アジアチャンピオンシップ決勝で熱い戦いが繰り広げられているなかですが、今晩のS-PARKの名物企画「プロ野球100人分の1位」が変化球編ということで、断片的にご紹介してきたWhiff%のランキングをまとめてご紹介したいと思います。

 

Whiff%とは、空振り÷被スイング数で計算される、いわゆるボールのキレを表す指標の一つです。類似のメジャーな指標としてはSwStr%がありますが、こちらは空振り数を被スイング数ではなく全投球数で割るもので、微妙に異なります。

 

ボールの性能を表す指標という意味ではSwStr%は有効ですが、全投球を対象にしておりキレがあろうがなかろうが関係なく振るわけもないクソボールもカウントされてしまっているため、こと「キレ」を表す指標としてはこちらの方が正確だと私は考えております。打者が「打てる」と思って振ったのに空振りした、というわけですからね。

 

では、前置きはこれくらいにして、早速本題に入りましょう。

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【2023年度版】奪三振"力"

 

どうも、LDLです。

 

今回もなんやかんやでギリギリの更新になってしまいました。年初に掲げた月1更新のノルマ、残り2か月ですが何とか達成したいものです。

 

さて、前回予告した通りレギュラーシーズンの総括的なものをしていきたいと思いますが、最初のテーマは記念すべき初稿で取り上げた「奪三振力」です。

 

奪三振力とは、一般的に奪三振能力を示すといわれている奪三振率という指標とは異なり、三振を奪った相手打者の「三振しにくさ」も加味した本ブログオリジナルの指標です。

 

未読の方や、忘れてしまったという方はそちらをご覧ください。

 

lions-datalab.hatenablog.com

 

この指標、いくつか作ってみたオリジナル指標の中では最も反響があったのでX(旧Twitter)アカウントのトップにも固定しているのですが、せっかく作ったのに2020年シーズン以来全く算出していなかったので、今回改めて2023年シーズンを対象として出力してみました。これからは毎シーズンオフに改良も加えながら出していければと考えております。

 

ではさっそく見て見ましょう。

今回はパリーグで100打席以上対戦した投手を対象として、左から奪三振力の順位と数値、奪三振率の順位と数値、右端に奪三振力と率の比率をカラーマップで掲載しています。分量が多いので、拡大してご覧ください。

2023年シーズンパリーグにおける奪三振データ

やはり圧倒的な投手力パリーグのライバルを蹂躙したオリックス投手陣が目立ちますね。トップ10の実に半数を占めています。

 

それでも1位は譲らない、ロッテ佐々木さんはさすがの一言。奪三振率ではワゲスパックさんに譲りましたが、より本質に近い(と私が思っている)奪三振力では圧倒的な差をつけて堂々の1位でした。

 

一方我らがライオンズはというと、先発転向1年目から息をするようにQSを量産した平良さんが11位にランクインしたものの、上位チームと比べるとやはり見劣りしている感は否めません。


セイバーメトリクスでは奪三振能力は四球と並んで「運に左右されない投手の能力を繁栄した数字」とされてますから、メジャー移籍を目指す光成さん(46位)や上沢さん(61位)はもう少し奮起したいところ。


その他、比率を見るとオスナさんがかなり傑出しているのがわかります。これは奪三振率に対する奪三振力の大きさなので、これが高いということは率が示す以上に「三振を取りづらい打者」からも三振を奪えていることになります。この辺はさすがメジャーのセーブ王、相手なんて関係ないといったところでしょうか。その他だとロッテ佐々木さんやメジャー挑戦が耳目を集める楽天松井さんなんかも素晴らしく、メジャー関係者垂涎の内容でしょうか。

 

この観点ですと、今季目玉FAの一人であるハム加藤さん奪三振力・奪三振率がそれぞれ90位、92位と低いながらも比率が2.8と高い数値になっているのが目を引きますね。成績を残せた要因の一つなのかもしれません。

 

取り急ぎ今回は以上になります。

投稿日時を見てもわかるように、ギリギリで書いてるのでご容赦ください…。

 

近いうちに、今回書けなかったセリーグやファームの奪三振力や他の指標も投稿したいと思うので、お楽しみに。

 

では!

「やらかし」エラーをざっと集計してみた。

どうも、LDLです。

 

毎度おなじみ、月末ギリギリの更新です。9月は色々とあってX(旧Twitter)の更新も滞りがちでしたが、こちらも9/30に慌てて書いております。

 

というわけでサクッといきますが、今回はいわゆる「やらかし」エラーを集計してみた、という内容です。なぜこれをテーマにしたかは、私のフォロワーの方であればだいたい察しはつくかと思います。

 

ただ最初にことわっておきますが、この記事は決して特定の選手のエラーについて揶揄するような意図はありません。これまで色々と考えてきた指標と同じで、「実際どうなの?」というのを印象を排して評価するためのものです。

 

(といっても前述の通り時間がなく準備不足なので十分な分析はできていないので、タイトルに「ざっと」と入れて予防線を張ってはいますが…)

 

いち西武ファンとしては、いわゆる「やらかす」選手といわれてパッと思い浮かぶのは(申し訳ありませんが)OBの原さんに、現役だと山野辺さんや今季打撃開眼した佐藤龍世さんあたりですが、「これって結局印象にすぎないよな」っていうのが今回の記事の発端です。

 

それをしっかり集計しつつトレースしていくことで、「やらかす」選手というのは本当に存在するのかを検証できればなと思った次第です。一般的に勝負強さを表すと思われがちな得点圏打率のように年度間相関が低ければ、その存在は否定されるというわけです。

 

それではいってみましょう。

 

 

やらかしの定義

まず「やらかし」の定義についてご説明します。

 

これは恐らく人によって千差万別だと思いますが、まずわかりやすく思い浮かぶのはタイムリーエラーですよね。

 

その他、終盤の勝負所でのエラーという方もいらっしゃるかと思いますが、私が思うに「失点に結びついたエラー」こそ印象に残りやすく、それが多い選手ほど「やらかす」と思われているような気がしています。

 

異論は全然認めますが、とりあえず以下ではシンプルにそれを集計していきます。

 

集計方法

続いて具体的な集計方法をご説明します。

 

2023年7月9日 オリックス・バファローズvs.埼玉西武ライオンズ 一球速報 - プロ野球 - スポーツナビ

 

画像は、件の龍世さんがタイムリーを放つもタイムリーエラーを2回も喫してしまったあの試合の一球速報になります。

 

私のデータベースは基本的にスポナビさんの情報から構成されており、1アクションごとに上端の白い枠のテキスト「三エラー +1点 …」を記録しているので、ここを起点として、エラーをした瞬間からイニングが完了するまでに失点した場合を「やらかし」として定義したいと思います。

 

厳密にやるのであれば、その守備をしっかり完遂した場合と比較しての失点のみをカウントすべきではある(例えば、先頭打者をエラーで出塁させたのち、次の打者にHRを打たれてもエラーは失点の有無に直接的には関係していない)のですが、残念ながら私のデータベースはそこまで細かい分析をできる作りにはなっていないため、とりあえずこの定義で集計していく点はご理解いただいたうえで以下読み進めてください。

 

集計結果とまとめ

2023/9/29時点のレギュラーシーズンのデータにおいて、両リーグの失策数上位10位前後を対象とし、上記の定義に基づく「やらかし」の回数と失点を集計してみました。

 

一応二つの指標を作ってまして、一つはやらかした回数を失策数で除した「やらかし率」、もう一つはやらかし後の失点をやらかした回数で除した「やらかしあたりの失点」です。それらの集計結果はこちらになります。

うーん。

龍世さん、やはりというか、今季は印象通りでしたね…。

 

前述の通り、簡単な集計ゆえ直接的にこれらの選手のエラーが全て失点に結びついているわけではないと思いますが、それにしても確率が高すぎますね。来季も集計してみて、単純な失策数はもちろんのこと、この指標が劇的に改善されることを願います。

 

一方、意外なのは言わずと知れた球界を代表する守備職人の我らが源田キャプテンで、率・失点ともに上位となってしまいました。

 

今季もライオンズファンのみならず、侍JAPANも十分なくらいその華麗な守備に助けられてきましたが、冷静になってみると過労が祟ったのかやや精彩を欠くミスもちらほらあったような。それでも私としては源田さんに対し「やらかす」印象なんて一切ないわけで、もしかしたら過去の圧倒的な実績によるバイアスはかかってしまっているかもしれませんね。

 

それに率といっても見ての通りサンプル数が少なすぎるので、あくまで参考として受け止めていただきつつ、印象と実態の違いで面白い発見があれば幸いです。

 

駆け足になりましたが今回は以上です。

 

次回はレギュラーシーズンも完了しているので、その総括か、ドラフトの記事のいずれかをお送りしたいと考えております。

 

では、今後ともよろしくお願いします!